「朝がつらい・不安が強い・背中が張る──パニック傾向と自律神経の乱れを抱える30代男性の回復記録」

【患者情報】

年齢：30代

性別：男性

主訴：パニック障害傾向、うつ傾向、動悸、不安の強さ、背中の痛み・こり、朝の不調

生活背景：店舗の店長職（部下約20名）。対外的に“強く見せる必要”があり精神的負荷が大きい。立ち仕事＋事務処理で身体負担も高い。

 

【来院までの経緯】

数か月前から朝の著しいだるさ・不安感・背中の強い張りが続き、日中も動悸やめまいが出たり、気圧変化で頭が重くなるなどの自律神経症状が目立ってきた。夜間は皮膚のアトピー（手・首・顔周囲）のかゆみで中途覚醒が増え、睡眠の質が低下。意欲低下・モチベーション不良・性欲低下も自覚し、仕事と家庭の両面で余裕がなくなってきたため受診した。

 

【初診カウンセリング・評価】

心理・自律神経：不安優位、交感神経過緊張。朝の立ち上がりが困難。

姿勢・可動：猫背（胸郭の伸展不足）、頚部～肩甲帯～胸椎の連動性低下、胸郭・横隔膜の可動制限。

筋骨格：背部～腰部の強い筋緊張、大腰筋のこわばり。

皮膚：手のアトピー増悪で入眠・維持困難。

内臓背景：既往の血液検査で肝機能数値の不良を指摘された時期あり（現在は経過観察）。

初見では「頭痛・めまい・動悸・皮膚症状」が互いに増幅し、睡眠の質低下→自律神経の同調不全→朝の不調という悪循環を形成していると判断。

 

【施術プラン】

セロトニン活性療法：後頭部・百会・側頭部・耳介反射点を軸に、鎮静と情動安定を促す。

BMK自律神経アプローチ：前頸部／後頭部／耳部／仙骨を段階調整。

パーフェクト整体／背骨矯正（DRT含む）：胸郭伸展、頚胸移行部、骨盤・腰部（大腰筋）を統合的に再教育。

内臓アプローチ：肝周囲・横隔膜・腹部反射点で自律神経の底上げ。

 

【施術経過】

◯ 第1回目

施術：セロトニン活性（百会・側頭骨・後頭部）、頭部軽圧・頸部デリケートリリース。
反応：「頭の締めつけが抜けた」。就寝前のスマホ制限と“腹式呼吸×3セット”を処方。

 

◯ 第2回目

状態：翌日少し体が軽い。気圧でどんより感あり。
施術：セロトニン＋頭部・内臓アプローチ（横隔膜〜肝周囲）。
指導：セロトニン体操資料を配布。ラジオ体操・散歩の継続を推奨。

 

◯ 第3回目

状態：手のアトピーが強く、かゆみで睡眠が浅い。首・顔の痒みも。
施術：セロトニン活性＋　斜角筋（R/L）の緊張解除、内臓（肝周囲）調整。
補足：皮膚は保湿・冷却の使い分けを案内。入浴後の保水→保湿→必要時クーリング。

 

◯ 第4回目

状態：朝は気分が落ちやすい。背中の張り・つらさが継続。
施術：セロトニン＋頭部・内臓アプローチを継続。胸椎の伸展誘導。

◯ 第5回目

状態：朝がつらい／背中の張り／頭が重い／めまいがテーマ。
施術：セロトニン＋自律神経＋内臓。胸郭の可動をさらに拡げ、大腰筋の基礎リリースを開始。
計画：この後の数回で背骨矯正（DRT）と猫背矯正を併用予定。

 

◯ 第6回目

施術：背骨矯正（DRT）＋猫背矯正を追加導入。胸椎の弾力と骨盤連動の再教育。
反応：施術後の立位で「胸が開く」感覚を自覚。

 

◯ 第7回目

状態：施術後はすっきりするが、仕事が入るとだんだん不調。睡眠不良で翌日きつくなる。
施術：DRT継続／胸椎（Th）・肩甲帯・腰部の連動調整、猫背矯正、脳活アプローチ（頭部）、大腰筋・内臓を強化。
指導：就寝前30分オフライン化、“眠れない時の再入眠プロトコル”（呼吸→体性感覚→軽ストレッチ）。

 

◯ 第8回目

施術：背骨矯正を中心に、前回の反応を定着。胸郭伸展と頚胸移行部の安定、骨盤〜大腰筋の同調を再設定。
所見：朝の重さは依然あるが、日中の不安と背中の張りは“戻りが小さく”なってきた。

 

【考察】

本症例は、皮膚症状→睡眠質低下→自律神経の同調不全に、仕事上の高ストレス・猫背／胸郭硬さ・大腰筋の過緊張が重なって、朝の不調・不安・背部痛・動悸として表出していた。
セロトニン活性療法×BMK自律神経で“鎮静と同調”の土台を作り、DRT（背骨矯正）・猫背矯正・大腰筋リリースで胸郭伸展・頚胸移行部の可動・骨盤安定を段階的に再教育したことで、施術後の爽快感が出やすく、戻りが小型化。睡眠ルーティン・皮膚ケア・短時間散歩を組み合わせ、朝の立ち上がりの質が徐々に改善してきた。

今後の計画

2〜3週ごと：DRT＋猫背矯正＋大腰筋／内臓の統合施術で定着化

朝ルーティンの固定（呼吸→スイング→水）と、就寝前30分のデジタルオフ

皮膚のかゆみ波に合わせた保水・保湿・クーリングの使い分け

不調日でも“最小実行量”（5〜10分散歩・体幹伸展）を死守し、自己調整力の自立を目標に

要点：交感過緊張と姿勢不良を“神経×構造×生活”で並行調整。朝の不調と背部の張りが軽くなり、日中の不安の波も小型化している。継続により「発作の起こりにくさ」「起きても短時間で収束する体」を目指す。