「季節の変わり目に増悪した“ふわだるさ・動悸・めまい”──自律神経×更年期を見据えた調整で外出の億劫さが軽減した50代女性」

【患者情報】

年齢:50代

性別:女性

主訴:3週間前からのめまい/2–3日前からの強いだるさ/動悸/首こり・肩こり/倦怠感/外出が億劫

本人所感:自律神経の乱れ、もしくは更年期では?(ホットフラッシュ様の暑がり・汗はかきにくいが足先は冷える)

 

【来院までの経緯・背景】

3週間前に浮遊感を伴うめまいが出現。2–3日前から強い倦怠感が重なり外出が億劫に。内科で点滴と内服を受け一時的に改善したが、季節の変わり目や夏場に体調が崩れやすく、動悸/首肩の強いこり/朝方に目が覚めるなど自律神経症状が続いている。
仕事は不規則で忙しい時期に増悪。血液検査では特記すべき異常はないが、食欲のムラ/コレステロール低下を指摘。寝つきは良いが早朝覚醒がある。ホットフラッシュ様の暑がりがある一方で汗が出にくく末端冷えを自覚。
困りごとは「仕事に波が出る・外出が億劫・不安感が募る」こと。根本改善を目的に受診。

 

【初診カウンセリング・評価】(2025/07/25)

姿勢・触診:頸部~肩甲帯の過緊張、胸郭の伸展不足、腰背部(特に腰方形筋)の硬さ。骨盤の軽度後傾。

自律神経:交感優位傾向(呼吸浅い・早朝覚醒)。

体温・循環:体幹は暑がり傾向だが末端は冷え(発汗パターン不良)。

誘発状況:季節変化・朝のガチガチ・忙しい日/人混みで不安増悪。

仮説:自律神経の日内変動不全+胸郭・仙骨のロック、更年期関連の体温調節不安定が重なり症状を増幅。

初回方針

セロトニン活性療法で“鎮静・同調”を先行し、日中の安定を作る。

BMK自律神経(後頭部・前頸部・耳部・仙骨)で多点調整。

パーフェクト整体で胸郭・骨盤・腰部を統合し、姿勢と循環を底上げ。

 

【施術経過】

◯ 第1回目

施術:評価→セロトニン活性療法(反応良好)/頸部・胸郭ソフトリリース。
反応:「終わって頭が軽い」。外出時不安は残るが安心感が出る

◯ 第2回目

状態:朝がガチガチ(首〜背中〜腰)。外出時に動悸。めまいは少し改善
施術:セロトニン活性+前頸部・後頭部、仙骨アプローチ。
方針:まず3〜4回はセロトニン中心で自律神経を底上げ。次回、簡単なセルフワーク共有。

◯ 第3回目

状態:気分の落ち込みはあるが「少し前向きになれそう」と変化。背部の硬さが顕著。
施術:セロトニン活性+背部PUSH、腰部・後頭下部の調整。
指導:早朝覚醒時は呼吸3セット

◯ 第4回目

状態背中の張りが強い。腰(腰方形筋)が非常に硬い。
施術:パーフェクト整体で胸郭伸展・肩甲帯可動・骨盤安定を総合調整。
特徴強押し可。運動連鎖(胸椎→肋骨→横隔膜)を重点。
課題:立位・座位とも肋骨の前方落ち込みにより呼吸浅くなりやすい。

◯ 第5回目

状態めまいは良い感じ。朝のガチガチは残存。薬も効いてだいぶ良い
施術:セロトニン活性+BMK(耳部・百会)/頸肩の筋膜調整

◯ 第6回目

状態:家族(妹さん)来訪で生活環境が変わり睡眠はリビングで布団首〜腰が硬い
更年期様所見:暑がりだが汗は出にくい足先は冷える。めまい薬は現在なし。
施術:パーフェクト整体(胸郭・腰部・骨盤)。マッケンジー腰体操①②③を処方。
補助:めまいパネルでセルフ指標化

 

【考察】

この症例は、自律神経の同調不全(交感優位)に、更年期由来の体温調節不安定が重なり、めまい・だるさ・動悸・首肩こりを増幅させていたケース。初期にセロトニン活性療法で鎮静・同調の土台を作り、BMK自律神経&パーフェクト整体胸郭伸展・頸椎/骨盤の可動・腰方形筋の硬さを段階的に解放したことで、めまいは早期に安定し、その後倦怠感と外出の億劫さが軽減した。
また、**早朝覚醒へのリカバリ手順(呼吸→足底荷重→再入眠)**や、足浴→就寝マッケンジー体操などの生活介入が、末梢循環と自律神経の日内リズムを整える後押しとなった。

今後は、月2→月1のメンテナンスへ移行しつつ、

季節変わり目の前後でセロトニン+BMKの予防調整

朝の“3分胸郭・呼吸ルーティン”固定化

末端冷えへの温冷リズム(足浴→保温)

生活環境の変化時(来客・寝床変更)の早期リセット施術
を軸に、再発しにくい体調設計を継続していく。

要点:めまいは初期で安定→だるさ・外出不安も段階改善。胸郭・骨盤・頸椎の連動日常のミニ介入が、波の小型化と回復の早期化に寄与した。

 

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