「股関節の痛みで日常生活に支障をきたしていた55歳女性」

患者情報
年齢:55歳

性別:女性

主訴:右股関節の痛み、歩行時の痛み、腰痛

症状と来院までの経緯
3ヶ月ほど前から右の股関節周辺に違和感を覚えはじめ、次第に歩くたびに鋭い痛みを感じるようになった。特に、朝起きて最初の数歩や、長時間座った後に立ち上がるときに痛みが強く出る。また、腰にも鈍い痛みがあり、階段の昇降や買い物などの日常生活動作に支障を感じるようになった。

整形外科ではレントゲン検査では異常なしと診断され、消炎鎮痛薬の処方のみ。しかし、痛みは改善せず、不安が募るなか、根本的な治療を求めて当院を受診。

【初診時のカウンセリング・評価】
姿勢評価では、骨盤の歪みと股関節の可動域制限が確認され、腰椎~骨盤周囲の筋緊張が強く、
股関節の前方突出感(インピンジメント様の反応)が見られた。

歩行動作では、右脚の着地時に身体がわずかに傾き、痛みの回避動作が生じていた。

精神面でも「このまま歩けなくなるのでは」と不安感が強く、ストレスも症状を助長している様子がうかがえた。

【施術プラン】
週1〜2回の頻度で施術を行い、
背骨矯正、骨盤の歪み・バランス調整
股関節の可動域回復
腰部〜骨盤周囲の筋緊張の緩和

【初回施術内容】
DRT背骨矯正
仙骨マニピュレーション
股関節モビライゼーション(可動域改善)

施術後、立ち上がりやすさに変化があり、「なんだか腰が軽くなった」との実感を得る。

【第2回目施術】
経過:歩行時の股関節の痛みは継続。特に階段の昇り降りで違和感が強い
朝の動き出しもつらい状態。

施術:

大腰筋アタック

腸骨筋アタック

仙骨マニピュレーション

施術筋肉:大腰筋、腸骨筋、中殿筋

指導:座る姿勢と立ち上がり時の重心移動について指導。

【第3回目施術】
経過:股関節の可動域にやや変化あり。ただし歩行中の痛みは継続。
腰の張り感が増している。

施術:

腰部アタック(腰方形筋)
大腿軸圧
施術筋肉:腰方形筋、大殿筋、梨状筋

【第4回目施術】
経過:腰の痛みがやや軽減。股関節のつまり感が残る。日常生活での疲労感が少し減ってきた。

施術:

腸腰筋アタック
仙骨上アプローチ

指導:体幹の安定性を高める軽めのエクササイズを指導(スクワットなど)

【第5回目施術】
経過:階段の昇り降りが楽になってきた。
歩行中の鋭い痛みが軽減。朝の動き出しもスムーズに。

施術:

大腰筋アタック

施術筋肉:大腰筋、内転筋、小殿筋

指導:ウォーキング時の歩幅とテンポについてアドバイス。

 

【第6回目施術】
経過:長時間の立位や歩行でも股関節の痛みが出にくくなる。腰のだるさも減少傾向。

施術:

腰部アタック(中殿筋)

施術筋肉:中殿筋、半腱様筋、腸骨筋

指導:立ち姿勢の重心修正指導。ソファに長時間座るクセを避けるよう助言。

【第7回目施術】
経過:ほとんどの日常生活では痛みを感じなくなってきた。歩行にも自信が出てきた様子。

施術:

腸骨筋アタック

施術筋肉:腸骨筋、大殿筋、半膜様筋

 

【第8回目施術】
経過:症状はかなり安定。歩行時の不安感も消失し、活動量が増えている

施術:

大腰筋アタック
仙骨マニピュレーション

施術筋肉:大腰筋、外旋筋、薄筋

指導:今後の再発予防として定期的なストレッチ・セルフケア継続の重要性を説明。
月1回のメンテナンス提案。

今後の見通しと指導
自宅でできる股関節ストレッチと、骨盤安定のための軽い運動を指導

生活の中での動作のクセ(左右どちらかに重心をかけるなど)を修正

日常の動きや姿勢を整えることで、痛みの再発を防ぎ、快適な歩行を目指す

【まとめ・考察】
この症例では、画像検査で異常が見られないものの、機能的なバランスの崩れや筋肉・関節の可動性の問題が痛みの主な原因と考えられた。

薬では改善しなかった股関節痛が、手技療法と体の使い方の見直しにより、徐々に軽減

今後も施術とセルフケアを続けることで、痛みの根本改善と再発予防を目指していく

西島整骨院